ヘルスケア分野の共通言語化を目指して

健康づくりは家(家庭)から始まります。病院から始まるものではありません。病気も家から始まります。病気になったらかかりつけ医に連絡し、必要なら救急車を手配し、救急病院に搬送され治療を受けます。英国では、医療福祉関係者の共通言語としてNEWS2(ニューズ2)が使われています(a common language across healthcare)。
「NEWS2が▲点です。訪問診療をお願いします。」
「NEWS2が▲点になりました。救急車をお願いします。」
「NEWS2が▲点です。救急車の受け入れをお願いします。」
このように、英国全土で「ヘルスケ全体の共通言語」として、NEWS2という早期警告スコアが使用されています。
NEWS2は、呼吸数・血圧・意識レベルなどの基本的なバイタルサインから病状の変化を早期に察知し、医療者・介護職・救急隊など、職種の垣根を越えて情報を共有できるツールです。この共通の指標を地域全体で活用することで、高齢者の急変時における迅速かつ適切な医療搬送や医療・介護・福祉職種間の円滑な情報共有、重症化予防や救急医療の効率化といった効果が期待されます。
私たち地域医師会は、これからの高齢社会における地域医療の質と安全性を高めるため、医療・介護・福祉・行政の連携をより一層強化していく必要性を強く感じています。救急医療や在宅医療の現場では、症状の変化をいち早く察知し、適切な対応につなげることが極めて重要です。
住み慣れた地域で一人でも多くの住民が安心して暮らせるよう、そして救急医療・在宅医療の現場が持続可能であるよう、今後も行政、医療機関、介護福祉事業所、そして地域住民の皆さまと力を合わせ、地域全体で命と暮らしを守る仕組みを築いていきたいと考えています。
人気記事
