「NEWS2(National Early Warning Score)」とは何か?
NEWS2(National Early Warning Score 2)とは、患者の呼吸数、酸素飽和度、収縮期血圧、脈拍、意識レベル、体温の6項目から重症度を評価し、容態悪化(Deterioration)を早期に予測するためのスコアリングシステムです。読み方はNEWS(ニューズ)と発音します。
各項目の数値に点数が割り当てられ、合計点が高いほど状態が悪く、急変のリスクが高いと判断され、迅速な対応やICUへの搬送などを検討する指標となります。
NEWS2は、イギリスのNHS(National Health Service:国民保健サービスを運用する公的機関)で用いられており、急性疾患の評価と対応を標準化するシステムを提唱する国家早期警告スコアの最新版で、2012年に初めて作成され、2017年12月に更新されました(NEWSからNEWS2へ)。
NEWS2は医療スタッフの共通言語(common language)
NEWS(全国早期警告スコア)は、在宅医療・プライマリケア・救急隊・ホスピタルで採用され、これらのスタッフの共通言語(common language)になっています。
会話の例:
「NEWSは◆点です。受け入れお願いします。」
「昨日のNEWSは●点でしたが、今朝▲点になりました。」
NEWS2の事例動画
NEWS2の利点
NEWS2の利点は次のとおりです。
- 早期警戒システム
NEWS2は、急に体調が悪くなった患者を早期に検出せるための「英国全体で唯一標準化された早期警戒システム」です。 - 標準化スコア
NEWS2は、どのような状況でも臨床的意思決定(clinical decision making)と適切な臨床的対応(clinical response)をサポートするために、疾患重症度(illness severity)を決定できる「標準化されたスコア(standardized score)」を提供してくれます。 - トラック・アンド・トリガー(Track and Trigger)
NEWS2は、急性期病院全体の標準化スコアリング・システムとして採用された伝達手段(vehicle)です。急性期病院では、急に容態が悪化したときだけでなく、すべての患者の連続モニタリングとしても使われています。患者の状態を継続して追跡(track)し、ある閾値に達したら引き金triggerが引かれ(きっかけができ)、どう行動すべきかというresponse(対応)があらかじめ定められています。 - 特定と対応
入院中に予期せぬ急性の容態悪化を起こした患者に対して、標準化された方法で早期に特定し、適切に対応できる体制を確保します。
NEWS2の使われ方として主に二つあります:
- Track(追跡)
NEWS2は、患者の臨床経過において、生理学的状態の連続記録を提供します。 - Trigger(引き金、きっかけ)
評価が必要となったときはいつでも、まず最初にNEWS2を測定します。これが急性疾患の重症度の最初の評価としての標準化されたプラットフォーム(きっかけとなる足場)になります。
NEWS2の追加的な活用方法としては以下の点が挙げられます:
- NEWS2は、臨床的悪化を検出するのを助けてくれる。
- NEWS2は、適切なトリアージと、いま急性期ケアで何をすべきかを明示してくれる。
- NEWS2は、プレホスピタルの環境で急性疾患の標準的な評価方法を示してくれる。
- NEWS2は共通言語として使用でき、急性疾患の重症度の標準的評価結果についてコミュニケーションがとれるようにしてくれる。
- NEWS2は、タイムリーにトリアージをして、最も適切な状況をつくるのに役に立つ。
NEWS2の免責事項
さらに詳しい情報や参考文献
NEWS2に関するさらに詳しい情報をお知りになりたい場合は、以下をご覧ください 。
Royal College of Physicians(英国王立内科医協会)
National Early Warning Score (NEWS) 2©Royal College of Physicians



